『ハモン・イベリコ』って実際何?を解決!


みんな大好き生ハムのお話。

スペインで市場に行くと目に入るのが生ハム屋さんだ。

天井にはよく日に焼けた生ハムの足が吊るされており、どれもイベリコ豚というのが蹄が黒いことから分かる。

中国では安い生ハムの原木を輸入し、蹄を黒く塗ってイベリコ豚の生ハムとして販売する悪い業者もいるという嘘のような本当の話もあるそうだ。

カウンターに並べられたハモンイベリコをプロ達がJamonero(ハモネロ)と呼ばれる細長いナイフを器用に使い薄く均等にスライスして行く。

均等にそして素早くスライスし、それを袋に入れ圧縮して空気を抜く。ダラダラしていると脂の部分が空気に触れて酸化するので時間との勝負なのだ。

なぜハモン・イベリコは特別なのか?

まず、イベリコ豚の説明から始めよう。

名前はスペイン、ポルトガルを含む半島、イベリア半島に由来している。

色は黒く、スペイン西の小さな領域から来たイノシシの混ざった品種で他の豚に比べると肉の部分が少ない。

イベリコ豚の中にもランクがあり、両親ともにイベリコ豚の100%純血の物から、母豚はイベリコだが父豚はDuroc(ドゥロック)と呼ばれる他の豚の品種だったりの75%または50%の混血のイベリコ豚まで様々だ。



イベリコ豚は餌の内容によって大きく三つのグループに分類される

  • ベジョータ(Bellota)100%どんぐりのみ
  • セボデカンポ(Cebo de campo)どんぐり、牧草、穀物など
  • セボ(Cebo)市販飼料のみ

イベリコハム中でもベジョータは最高級品とされ、放牧された豚の餌はどんぐり(ベジョータ)のみと厳しく制限されている。

このどんぐりが豚の脂肪分を柔らかくし、生ハムにナッツの風味を与え、どんぐりを探して歩き回る事によって、綺麗なサシが入ると言われている。

後ろ足と前足違いはあるの?

実は前足と後ろ足には大きな違いがある。

まず呼ばれ方が違う。後足はハモンイベリコ(Jamon Iberico)前足はパレタイベリカ(Paleta Iberica)と呼ばれ、前足の方が安く販売されている。

後ろ足の方が大きく大体7〜8.5Kg程、それに比べ前足は4〜5.5Kg。

ハモンイベリコはパレタイベリカに比べると骨の部分が少ないので肉の量多く、熟成の時間も長くなる。よって金額もパレタよりも高額になるのだ。

とは言っても同じ豚なので予算がタイトな時はパレタを頼んでも十分満足できるはずだ。



スペインではクリスマスに会社からロトと呼ばれるクリスマスプレゼントが配られる、夫の会社は毎年生ハムの原木を贈ってくれるのだが、これが嬉しい。キッチンに生ハムの足があるだけでテンションが上がるし、ちょっとお腹がすいたなぁという時にスライスして小腹を満たす事もできる。

一度なんて赤ワインを飲みながらキッチンでちょっとだけちょっとだけと言いながら生ハムをつまみボトルを2人で開けたこともあった。

日本でもお金を払えば美味しい生ハムは手に入るかもしれないが、スライスしてくれるプロのハモネロに出会うのは至難の技だ。

スペインに来た際はここぞとばかりに良質のハモンイベリコを堪能してほしい

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